伊藤 MASA 正則(HM/HR評論家) 1997年3月
 その日、ボクら『BURRN!』編集部に激震が走った。電話をとったバイト君がこう叫んだのだ。「ええ!? 新しい極限がリリースされるってー!?」

 ファンのみんなには説明するまでもないが、「極限」とは、もともとは立教大学探検部の部誌の名前であった。「極限2」の編さんに携わった部員ナメキは、探検にかける熱い思いを言葉で伝えることに限界を感じ、ロックによる活動報告を後輩のツルヲ、ハルヤマらと共に試みた。これが94年に発表されたアルバム「極限3」である。
 「極限3」はOB達を激怒させたが、一方でコアな極限ファンをも大量に生み出した。もちろんボクら『BURRN!』編集部も、毎日欠かさず3回はテープをかけまくる完全な極限フリーク揃いだ。

 その続編「極限4」が出る――! ボクは仕事を放り出して聖地ロサンゼルスに飛び、古くからの友人ボブにコンタクトを取った。彼の協力でプレス前の「極限4」を入手することに成功したボクは、ホテルの部屋に飛んで戻り、プレーヤーのボタンを押した。
 Wow! こいつぁスゲエ! まず1曲目は……。いや、極限ファンのみんなから、極限4のファーストインプレッションをうばうのは野暮ってもんか。
 ともあれ、ボクらHM/HRキッズのマストアイテムがまた増えちゃったってワケで、こいつぁうれしい悲鳴だゾ!

Improvised by ハルヲ&つるを / 1997年
ハル・つるによる即興演奏VOL1。
詞:マツ(作詞指導:ナメキ)/ 曲:つるを / 1997年
街の明かりを踏み潰す俺のキャタピラー
右手はそのままマシンガン 左手は刀
ドクロタイガー ゴムの巨人 俺一人では手に負えぬ
友情パワーを取り戻せ
足立(合体)小犬顔
塩田(合体)メカ胸毛
トミーも合体 壊れたハート
俺の名はマツ 風来マシーン
愛を求める夢追いマシーン

(セリフ)
東南東の方向、敵発見。一同第一戦闘配置につけ。
なっ何、壱号機損傷だと。今すぐ収納せよ。
弐号機、参号機はすぐ発進。
目指すは本陣ドクロタイガーだ。諸君達の健闘を祈る……。

俺の名はマツ 風来マシーン
自己を見つめる夢追いマシーン
女囚ドクロは 魔性のオンナ
俺は密かに愛しているのさ

地球防衛軍4期生の一員「マツ」がドクロタイガー(ブラックタイガーとも呼ばれるゴムの巨体、首領は女ボスで通称「女囚ドクロ」)なる敵と戦う物語。ドクロタイガーと戦うには一人では無理だと判断したマツが、他の4期生と合体し風来マシーン、夢追いマシーンへと昇華する。
これはうわさだが、マツが書いた詞と最終的な詞の内容は大きくかけ離れたものになったという。97年春作成。

【2017年 追記】
レコーディングから20年が経った今年、当時マツが最初に書いていた歌詞が、偶然発見された。
よく読むと歌詞の一部に若干の変更があったことがわかる。あらためてもうしわけなく思うと同時に、変更をあっさり受け入れたマツの度量の大きさに、その評価が今頃高まっているのであった。
詞:1・2番つるを、3番ナメキ / 曲:ナメキ&つるを&ハルヲ / 1996年
太陽が突き刺す街のざわめきの中で
40過ぎのオヤジに声かけられた
「おおそこにいる若者よ私の頼みを聞いとくれ」
振り向きざま俺に向けられた懇願の目
「私のかわいい小猫をぜひとも受け取ってくれ」

俺は戸惑い頭を抱えた
おお母なる大地に生を受けたひとかけらの
聖なる生命(いのち)をいとも簡単に
他人に渡して良いのか
父なる太陽母なる大地の願い
汚すことなかれ猫の生命

俺は猫と友達になろうとした
エサを七つドキドキしながら置いた
だけどもそこにエサは残った
人と野獣は交われぬ
父なる太陽母なる大地のもとで
その時俺は野生の目撃者
父なる太陽母なる大地のもとで
その時俺は野生の目撃者

イントロでは宇宙を感じ、1、2番で生命の神秘をとく。3番では人と野獣との共存の厳しさを悟り、混乱した世界(父なる太陽=オルガン、母なる大地=ベース、猫=ギター、霊的なもの=アナログシンセ)を表すエンディングへと突入する。
歌詞、楽曲、サウンド、バランス、録音状態,等どれをとっても非常に完成度が高い一品。96年夏作成。
詞:足立 / 曲:足立&つるを / 1995年
中間地点のアザラシ岩
僕らにラフトを教えてる
ゴール地点の2匹の黒猫
アイツら僕らのホッカイロ

金曜昼間は部会の時間だ
時間に遅れず Take part in
合宿前の装備チェックだ
便所でトイペを Get it on

真夜中の宴の後悲しく横たわる
俺は煙草をふかしヒビ割れたパドルを見ている

釧路 馬淵 最上 最上 阿武隈 秩父 御岳 大井 長良 リバベン
川内 四万十 (うらうち) 吉野川

出発前の心ピチャはしたか
バルブは閉めたか Check it out
ドリフト地点の荒れ狂う波
流れと一緒に Here we go! go!

中間地点のアザラシ岩
僕らにラフトを教えてる
ゴール地点の2匹の黒猫
アイツら僕らのホッカイロ

「川」の荒々しさを表現したヒット作。立大川班のテーマソングであるとともに、4年生足立の処女作でもある。この作品により「足立系」という新ジャンルが確立された。
93年春御岳でのアイデアをもとに、95年秋吉野川航下チームの協力により作成。
詞:塩田(協力:足立)/ 曲・編曲:つるを&塩田 / 1997年
暇と金を持て余す バブルが忘れた身なし子達よ
同じかっこで同じ場所 同じ事するWork holic
日にちと行き先曖昧で 安い買い物出来ればいい
注文多くてオプション付けて 挙げ句の果てに Change mind
Yehey Woho
Yehey Woho
Yehey Woho
Yehey Woho
飛行機チェック ホテルもチェック お前のツアーは完璧さ
命の保証は出来ないが イカした夢を見せてやる

こんな時ほど腕がなる 月のマグマでラフティング
伊達に資格は持ってねぇ 俺が開けるぜ Risky door

両手はバッグで首からカメラ 大金ばらまくOL達よ
お湯が出ないとクレームつけて 眠る暇なく Hard work
道の途中で地図を広げて ビルを見上げてモンローウォーク
何時の間にやらダウンタウン ゆくゆく果てはDangerous
Yehey Woho
Yehey Woho
Yehey Woho
Yehey Woho
不安だらけの初海外 終わってみればSatisfy
ツアーの思い出俺だけさ お前のチョイスはクールだぜ

こんな時ほど腕がなる 月のマグマでラフティング
伊達に資格は持ってねぇ 俺が開けるぜ Risky door

イントロの清らかな部分は4年生塩田の表の顔を表す。そしてそれを破壊するところから始まるこの曲は、TOURISMに携わる塩田の真の姿を表している。だが、最後にはやっぱり表の顔になってしまうという世の無常さも表している。
エキゾチックなムード漂う中、LA仕込みのラップが冴える異色作。サビのうしろに聞こえる会話にも注目。97年春作成。
詞:ナメキ(協力:つるを)/ 曲:ナメキ / 1997年
そこのお嬢さん ご機嫌ななめの5・6の昼下がり
お出かけなんていかが ウキウキ御岳のドキドキ川下り
ゴムぽっちがプカプカ さあ1、2、3で漕げば
くるくる回って 前に進みやしない まるで僕等の恋みたい

空に浮かんだ白い雲と雲が 風に吹かれてキスしてるのさ
そうさ一番好きな人は 君なのさ

何を眺めているの ふくれっ面した窓際の天使
お天気もサイコーだし どうです おそろのツナギで樹海でも
僕の確保で降下する君は
すばやくプリティ完璧ラブリー グッときちゃうよマイハート
一目ぼれしちゃうよ

僕ら見つけた光のカケラたち ハート型した出口に続く
そうさ一番好きな人は 君なのさ
愛してる

オザケンに大きな影響を与えたといわれている秘蔵の曲。今回が初のお披露目になるこの曲は新歓用に作られたものである。この曲を新歓時期に流せば多くの新入生のハートをゲットできるだろう。97年春作成。
詞:トミー / 曲:つるを / 1997年
いつから苦しみ出したのか 何が苦しませるのか
精神(こころ)を忘れちまった 大きく狂ちまった
資本主義がルーザーだ
アンビバレンス アンビバレンス アンビバレンス

資本主義(カイブツ)が苦しみ出した
資本主義(カイブツ)が苦しませた
古老(レーニン)を忘れ去った
イデオロギーはどこにある
先の見えない航海さ
キルマイセルフ(キルミー) キルマイセルフ(キルミー)
キルマイセルフ(キルミー)

アカのバスに乗らないか 取り戻そうぜ精神文明
アカのバスに乗らないか 築き上げろ理想郷(ユートピア)

俺達だけに見えるはず 俺達だけに出来るはず
計画(プラン)を立てろ今すぐ 協力はここにある
荒波を突き抜けろ
ゴーレフト(ゴーレフト) ゴーレフト(ゴーレフト)
ゴーレフト(ゴーレフト)

アカのバスに乗らないか 取り戻そうぜ精神文明
アカのバスに乗らないか 築き上げろ理想郷(ユートピア)

アカのバスに乗らないか 取り戻そうぜ精神文明
アカのバスに乗らないか 築き上げろ理想郷(ユートピア)

次曲「資本主義賛歌」と好対照なこの曲はイデオロギー色満点。資本主義が既に内在化されてしまっている昨今の探検部(余った食料をジャンケンで取り合うような風潮)に対抗すべく、同志を求めるコミュニスト・トミーの炎の歌声が炸裂する。97年冬作成。
詞:足立 / 曲:ハルヲ&つるを / 1996年
円高が顕在化させた構造問題
菊地ゼミだけが解決さどんなもんだい
高コスト構造が引き起こす
内外価格差 産業の空洞化
円高に悲観しすぎるのは大間違いさ
なぜならこいつは最後の Good chance
時期を逃すな今がチャンス
打て 打て政策 今が旬

不況の打開策を俺等知ってるぜ
産業構造の転換さ イカしてるぜ
インフラ分野に規制緩和
競争政策の積極的導入
高コストの無い効率化された社会の構築だ
取り戻せ競争力 不況にGood bye
無茶な政策はデフレスパイラル
為替は後からついてくる

今経済が抱える構造問題
それを月に代わっておしおきしてやるぜ
そう俺達菊地ゼミナール
目指せ経済の活性化

構造転換は(失業を伴う)
労働流動化(促進)
ベンチャー企業を(Grow up)
改めろ雇用慣行
日本経済は重要な岐路に今立ってる
だから適切な政策を打ち出すぜ
まさに経済の水先案内人
不況からの脱出はこれでOK

今経済が抱える構造問題
それを月に代わっておしおきしてやるぜ
そう俺達菊地ゼミナール
目指せ経済の活性化

曲中に明確には表現されていないが、資本主義者にしか歌えない曲である。菊地ゼミナールとは根っからのCapitalistである足立が真のCapitalismを十二分に発揮できる場であり、この曲のモチーフともなった場でもある。 全てのハードロックファン必聴。96年冬作成。
詞:女神 / 曲:つるを&ハルヲ / 1995~1997年
それは超古代といわれる程の昔
はるか南の島に巨人が住んでいた
巨人はといえば狭い額長い耳
高く大きな鼻薄い唇
深く窪んだ目をしたモダヤ人

男は鯨に乗り海に出る漁師さ
女は赤い帽子で島を守り続け
争いを知らず
情け深い清らかな人種だったさ
(平和と秩序のギターソロ)

ある日島の真ん中で 小さな赤子の命が
この大地に 突然生まれた
巨人はといえば喜び慌て
神の子と祝い大事に育てた
平和で楽しい暮らしのはずだった

ところが島の神様こう言ったのさ
「神は私一人で十分さ」

南太平洋上に浮かぶ小さな島。そこに超古代から伝えられる「ロンゴロンゴ」という古代文字碑文を解読してみると、それは世界史に、果ては人類の存在に大きな衝撃を与えるような一大叙事詩だった。第一幕では、古代の栄華から島の神の登場まで。第二幕では、神と巨人たちの対話。第三幕では、ついに聖戦にまで発展した巨人の島の様子を組曲形式でおくる。
構想、制作ともに一年半をかけた超大作。95年秋~97年春にかけて作成。
詞/曲:ハルヲ&つるを / 1995~1997年
助けてください神様
(だめじゃ~)
どうしてでちゅか
(どうしてもじゃ)

助けて助けて
(だめじゃだめじゃ)
助けて助けて
(だめじゃだめじゃ)
助けて助けて
(だめじゃだめじゃ)
助けて助けて
(だめじゃだめじゃ)
……

曲/詞:つるを / 1995~1997年


0:00 第一楽章 邪神降臨
島の神は巨人たちの願いを聞き入れなかった
怒り狂った神は世界を暗黒にしてしまった


0:41 第二楽章 暗黒世界


2:27 第三楽章 決起集会 チェロ独奏 イ単調第四番
巨人たちは立ち上がった
邪悪な神を倒すために
小さな赤子を守るために
島の平和取り戻すために
ならば戦いの封印を今 解き放とう
巨人たちよ


4:01 第四楽章 聖戦Part1「戦慄」


5:25 第五楽章 聖戦Part2「衝撃」
巨人たちは戦った 男も女も 子供さえも
戦い疲れた巨人たちは 次々と石になっていった
そして最後の一人が石になった時
邪悪な神もまた 倒れたのであった


7:23 第六楽章 聖戦Part3「リフレイン」


8:17 第七楽章 静寂
そしてその島には静寂だけが残った
巨人たちに助けられた小さな赤子の子孫達は
今でもその島で生き続けている

詞:足立 / 曲:ハルヲ&つるを / 1995年
もんじゅが壊れて 背広たちはすったもんだ Baby hey
いかれてるぜLonely angel
隕石が追ってくるのを 俺は東明で見たぜ Baby hey
イカしてるぜ Miracle days
へそ出し女と パンツ見せ男が 街を歩く Fucking world
世も末さ
京都が燃えている 東京が病んでいる
世界が嘆いているNo! No!

ゴシップ記事ばかりが 目につく毎日 Every morning
イラつくぜマスメディア
どこかの皇太子と 皇太妃のことなんか 関係ねぇぜ
てめえの心配しろよ
新内閣だが知らねぇが 小手先だけの変革じゃ 変わらねぇぜ
Foolish change
ブッダも嘆いてる イエスも悩んでる
マホメットもうれいてる

Thank you Fucking TOKYO

作成時間約5分のラフでノリだけの曲。リハーサル用として、アルバム未収録の予定だったが、制作時の雰囲気を伝えんが為、迷ったあげく収録を決行した。
この曲を聴くと当時の政治、国際関係、社会情勢、宇宙事情、ファッション、思想等が良く分かる。95年秋作成。
曲/詞:CAPPY(みほ&ちぐさ)/ 編曲:つるを / 1996年
サル ゴリラ チンパンジー サル ゴリラ チンパンジー
サルそしてサル これもサル あれもサル

逃げ出した2匹のサル 気田川 竹だけ川下り (ウッキー)
歩いたのはせいぜい10キロ あとはもちろんヒッチハイク
ここらで降ろすど 決心の色に バカ面で答える
もっと先行って
分からないのか (分からないねぇ)
気付かないのか (気付かないねぇ)
だってサルだもん だってサルだもん
だってサルだもん (イエェイ)

いきこんだ2匹のサル 今度は本番がんばるぞ (ウッキー)
竹を切ったのせいぜい3本 あとはもちろんチェーンソー
ここらでやめるど (やめるど) 決心の色に バカ面で答える
もっと竹切って
分からないのか (分からないねぇ)
気付かないのか (まだまだ)
だってサルだもん(ウッキーヤッホー)
だってサルだもん(ルルルルヤー)
だってサルだもん

ありがとう山下さん内山さん
モーターズ井堀の仲間 (ヤキソバ)
ありがとう森下さん松本さん
区長さんとその手下 (インド産のトロ)
分からないのか (分からないねぇ)
気付かないのか (まだまだ)
だってサルだもん(ウッキーヤッホー)
だってサルだもん(ルルルルヤー)
だってサルだもん

「中は真空 暴れ天竜 まっすぐになっているのが分かるんだ」
(天竜川下り人 語る)

「朝の5時から待ってたのに 台風の中待ってたのに
 あんたら来ないし」(協力者 談)

「いかだにはさまれた もうだめかもしれない」
(ブクブクブクブク)

「まだやる? 」「えっやめるの?」
「竹も流れているし」「浮かんでないし」
「とうとう解体だね」「きれいだね」
「ありがとう 気田川」

分からないのか (分からないねぇ)
気付かないのか (まだまだ)
だってサルだもん(ウッキーヤッホー)
だってサルだもん(ルルルルヤー)
だってサルだもん

立大探検部の新星、「CAPPY」による合宿ソング(CAPPYの2人により竹だけでいかだを作り、四苦八苦しながら気田川を下った合宿のエピソード)。そのノリの良さ、テンションの高さ、盛りだくさんな曲構成は、PAFFYのような一過性のものでは決してなく、永遠に歌い継がれる曲であろう。実際、97年春一大ブームを巻き起こした。
96年夏、気田川にて作成。
(注)「カピったま」とはサンスクリット語で「最高のサル」の意。
詞:足立 / 曲:足立&つるを / 編曲:つるを / 1996年
中間地点のアザラシ岩
僕らにラフトを教えてる
ゴール地点の2匹の黒猫
アイツら僕らのホッカイロ

金曜昼間は部会の時間だ
時間に遅れず Take part in
合宿前の装備チェックだ
便所でトイペを Get it on

真夜中の宴の後悲しく横たわる
俺は煙草をふかしヒビ割れたパドルを見ている

釧路 馬淵 最上 最上 阿武隈 秩父 御岳 大井 長良 リバベン
川内 四万十 (うらうち) 吉野川

出発前の心ピチャはしたか
バルブは閉めたか Check it out
ドリフト地点の荒れ狂う波
流れと一緒に Here we go! go!

中間地点のアザラシ岩
僕らにラフトを教えてる
ゴール地点の2匹の黒猫
アイツら僕らのホッカイロ

中間地点のアザラシ岩
僕らにラフトを教えてる
ゴール地点の2匹の黒猫
アイツら僕らのホッカイロ

LaLaLa……

A04でおなじみ「川のうた」は、様々なバージョン(ブルース、フォーク、フラメンコ、ジャングル、etc)が作成されていたが、足立系ファンの熱い要望によりここではアコスティックバージョンを収録した。A04とは対照的に川の静かな一面を表しているかのようだ。ここにきて足立系は頂点を迎えることとなる。
96年冬作成。
詞/曲:つるを&ハルヲ / 1996年
深夜になれば酒屋も閉まるMidnight
暗闇に包まれ猫が吠えるDarkness
こういうときこそアクマがうごめく
持ち出せ金塊 捨て去れ札束
こういうときこそマグマは吹き出す
ささやく天使を閉じ込めろ
アクマの声を聞くことが出来るのは俺だけ
飛べ我らの DREAM SHUTLE

早起きすれば体も締まるDaybreak
俺が歩けば犬達も吠える Loneliness
こういう時でもアクマがささやく
嗅ぎ出せ匂いを 味わえ孤独を
やっぱりそこには蛇の大群
落ちた天使を受け止めろ
アクマの影を踏むことが出来るのは俺だけ
ゆけ我らの DREAM SHUTLE

ゆけ我らの DREAM SHUTLE
飛べ我らの DREAM SHUTLE
ゆけ我らの DREAM SHUTLE
飛べ我らの DREAM SHUTLE

自明の理である日常的な世界と世俗を超越したかのような世界。その間を「ドリームシャトル」という二律背反性の乗り物に乗って行き来しているかのような錯覚。その結果アクマに魂を売ってしまうかのような邪悪感。全てを包み込み闇の世界へ突入していくドリームシャトルに出会うためには一体……。
96年春作成。
詞:女神 / 曲:ハルヲ / 1995年
大きな月が白く光ってる
今夜はちょっと気分がいいから
屋上で泡のお風呂に入ろう
ちょうど彼も帰ってこないから

お風呂が泡でいっぱいになる頃
月をちょっぴり隠して
すばやく泡の中に溶けてく
このまま今夜は眠っちゃおう

気が付くと白く光る月の中にいて
青く光る地球を見ていた
望遠鏡を覗いてみると
彼が私を探してた

ロマンティックな歌詞に、かわいらしいメロディ、泡のようなキーボード、温かいベースラインが見事に融合した作品。
幻想的で心あたたまるこの曲は、驚くべきことに前後の曲と同じ作曲者である。イントロでの「シタールの調べ」は愛敬。95年冬作成。
Improvised by ハルヲ&つるを / 1995年
この曲の聴き方としては、ボリュームを最大限に上げ、暗闇で精神を統一し、その場所、その瞬間に流れてくるその音群に集中してみることだ。そうすれば君の中枢神経はレッドゾーンを超え、トリップは間違いないだろう。
第六感を突き刺すその衝撃に、君はどこまで耐えられるか。ハル・つるによる即興演奏VOL2。95年冬作成。
詞/曲:トミー&足立、協力:つるを / 1997年
(一、二、三、四)
セルフビレーだけではさみしいの
ザイルがつなげる君と僕
君の指示出し僕のサカ
一人じゃボートは進まない

なぜか(なぜだろうな) いつも駄目だった
心の(胸に手をあて) 奥では知らんぷり

(one two three four)
仲良くしてね 僕を信じて 君を信じるから
こっちを向いて振り向いて
僕等はいつもここにいるよ
(un deux trois quatre)

(eins zwei drei vier)
言いたい事はたくさんあるけど
君は本当に聞いてるの
やりたい企画行きたい合宿
君はどうしてつれないの

心の(開かずの) ドアをノックしたいの
どうして(壊れかけの) 鍵がかかっているの

(uno dos tres cuatro)
仲良くしてね(仲良くしようね)
僕を信じて(信じるもんか)
君を信じるから(ずっと信じてる)
こっちを向いて(向いて向いて)
振り向いて(もっと向いて)
僕等はいつもここにいるよ

(ek do tin char)
仲良くしてね(仲良くしようね)
僕を信じて(信じるもんか)
君を信じるから(ずっと信じてる)
こっちを向いて(向いて向いて)
振り向いて(もっと向いて)
僕等はいつもここにいるよ

卒業する4年生から下級生に贈られた詩(うた)。野原で輪になって歌おう。テーマは「下級生よ仲良くしろよ」。97年春 野原にて作成。
詞:つるを / 曲:ハルヲ / 1996年
俺は何故 漢字以前に文字は無いと思うのか
俺は何故 古代文字の存在を信じないのか

(セリフ)
「蓋し聞く上古の世未だ文字有らず」 (出典 古語拾遺)
「御国の文字を加奈といふは加牟奈の略なり
 加牟奈を漢字に略して神字と書くべし」 (平田篤胤 曰く)

アイアイアイアイ Ancient letters あと一文字で解読しそう
アイアイアイアイ Ancient letters 死にそうさ One more chance

君はもう 漢字以前に文字は有ると信じたのか
君はもう 古代文字の存在を信じこんだのか

アイアイアイアイ Ancient lady あと一息で発見しそう
アイアイアイアイ Ancient lady 倒れそうさ No more chance

竹内家には桃木文字 対馬にはアヒル文字
富士山には宮下文字 他にもあるある神代文字

アイアイアイアイ Ancient letters あと一文字が見つからない
アイアイアイアイ Ancient letters もう少しさ One more chance

薩摩にはホツマ文字 アイヌにはフゴッペ文字
京都にはイムベ文字 まだまだあるある神代文字
全国にはサンカ文字 「上記」にはトヨクニ文字
彦島にはペトログラフ 出雲にはアヒルクサ文字
竹内家には桃木文字 対馬にはアヒル文字
富士山には宮下文字 他にもあるある神代文字

前半では、古代文字の肯定と否定との間で揺れ動く人々の気持ちを代弁し、後半では、数々の神代文字(=古代文字)を例に挙げ、まるで原始社会のような混沌とした世界へとタイムスリップする。DANCE系のサウンドもすばらしく、長年の夢だった「古代文字とDANCEとの融合」が、今ここに現実のものとなる。
96年春作成。
詞:ナメキ / 曲:ハルヲ&ナメキ / 1996年
地下室でDancing(Dancing) 夜の支配者(東京貴族)
ヘアーを染めた(染めた) 最後の貴族(東京貴族)

ガム食べる でもあげない クラブのルールは早い者勝ち
踊ってよ貴族でしょ 私を惑わす美獣たち

地下室でDancing(Dancing) 夢なんて見るもんじゃない

例えば古代文字 東京貴族は信じない
ムー的なものが東京貴族をダメにする
でも宇宙人の解剖はちょっと 信じてる

貴族……東京貴族……吉祥寺で踊る……
夢? 踊ること。
ダンスは言葉の代わり。惑わさないで、美獣たちよ……
ムー的なものでダメになった。昔のこと。今は踊るだけ。
あたし? 東京。TOKYO、東京。
ダンスは言葉の代わり。
美獣たち、早い者勝ちよ。おいで……

東京貴族。この言葉からイメージできるもの。それは、CLUB、DANCE、地下室、ガム、ムー的なもの。
古代文字肯定に難色を示す東京貴族が、前曲B07に対抗して作ったこの曲は、なんともアングラな雰囲気に満ち溢れている。もしかしたら、今夜君が通うCLUBでも東京貴族が踊っているかもしれない。96年春作成
詞:足立&マヤ&E島 / 曲:つるを / 1996年
鏡を見るとこれまでの日々が
昨日のように浮かんで消えゆく
アー時計の針はゆっくり動きだす
アー疲れた心を癒す

日本を離れ (異国の地へと)
過去を脱ぎ捨て (今海を渡る)
太陽と海も (夜には会える)
心に穴が (空く日が来ても)
日本を忘れても 忘れるなよ(忘れるなよ)
忘れるなよ 探検部

どこに行っても南を示す
磁石を持って行けたらいいね
アー人と過ごす時間を大切に
アー自分の磁気を強く

知らない所は (迷いがちだね)
南を示す (磁石を持って)
理由があって (集った人を)
ずっと忘れず (時には思う)
自分を忘れても 忘れるなよ(忘れるなよ)
忘れるなよ 探検部

泣き叫んでもその声届かない
君を知るのは風の便りさ
僕らと過ごしたかけがえのない日々
覚えていてくれる自信はないよ

泣き叫んでもその声届かない
君を知るのは風の便りさ
僕らと過ごしたかけがえのない日々
覚えていてくれる自信はないよ

探検部を去る者すべてに贈るこのアルバム中屈指の名曲。
決して上手とはいえない演奏を補うには十分すぎるほどの、はかなくも美しい歌声、叙情的なフルートの音色、誰もが共感せざるを得ないサビでの高揚感、涙なくしては歌えない歌詞とメロディ。それらによってこの曲は、このアルバムだけにとどまらず世代を超えた名曲となりうる。
だがしかし、「ジャズ→大人っぽい→現実的→疎遠な関係」の図式が成立する後半部では思いもよらない展開が待ち受けている。この部分は一部ファンの間で大論争を引き起こしたといわれている。
ちなみに、この曲は、オランダ行きの船に乗った「はまの」にまず捧げられた。96年夏作成。
詞:E島&マヤ&3年生 / 曲:つるを / 演出:3年生 / 1997年
行かないで4年生 我らのもとを
考え直して4年生 卒業なんて

探検という名の禁断の果実を 上手に料理しておいしく食べたね
時にはおなかも下したけれど 愛と勇気が解毒剤ね
アー(イカした)4年生 We miss you
アー(すばらしい)4年生たまには顔見せて

入った時には真っ赤なコミュニスト 出て行く時には桃色のリアリスト
それがこの部の通過儀礼 でもロマンはなくさないで
アー(夢見る)4年生 We love you
アー(とびきりの)4年生社会に埋もれないで

(セリフ)
教室の窓から景色を見てたら 最後の一葉が落ちそうで落ちない
もしもその一葉が4年生だったら いつまでも落ちないでいて

アー(悲しき)4年生しがらみ脱ぎ捨てて
アー(大好きな)4年生いつでも顔見せて
帰っておいで4年生我らのもとに
戻って来てね4年生いつものように
行かないで4年生 我らのもとを
考え直して4年生 卒業なんて

卒業していく4年生のために、現役生を代表し3年生全てが歌詞、Vo、Co、演出を担当した画期的作品。この曲を聴いて涙を流した4年生は数知れず、歌っている3年生も涙を隠すために笑っているのが印象的。
サウンド的にはこのアルバム中最高のギタープレイが聴ける。97年春作成。
Improvised by ハルヲ&つるを / 1997年
ハル・つるによる即興演奏VOL3。

おまけ

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フロントジャケット表・裏 + バックインレイ表・裏

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